2002年7月20日土曜日

D&D3e:Adventure Game「The Adventure Begins Here!!」その3

これまた、昔々の物語、D&D3版なので10年前ぐらいですね。(その3)

プレイリポート第3回 Adventure Game「The Adventure Begins Here!!」

皆さんの協力を得て、2002/07/20に行われたD&D3eのプレイリポートです。

Adventure#6 ドワーフ領主の砦 (前編)

今回のPCsは、前回の生き残りとどこからでてきたのかわからない新PCsとなっている。データ的には、マスターが前回のキャラシートを無くしたという大失態を犯したので、すべてのPCsが新データとなっている。「まぁ、ちょっと見ない間に大きく(小さく)なって。」ということで。
ハーフオークのバーバリアン、打率5割のヴァサーゴ(ミマサス氏)
同じくハーフオークのバーバリアン、ヴァサーゴの弟分モルゴフ(青森氏)
人間のレンジャー、状況判断は正しいキキョウ(オバンノン氏)
人間のパラディン、依喪御徒の仇はどこにいったファラミア(アルベルト氏)
人間のファーラングン(Fharlanghn,道祖神)に仕える僧侶、ヴァンダーミア(スマダ氏)
人間のドルイド、犬に負けるな!ローレン(シャリアール氏)
ハーフリングのローグ、出番はこれからだチョバコナナ(シュウ氏)
エルフのウィザード、なぜか通称、セイタカアワダチソウ(本名:リリエル)(逆者あ氏)
    今回のパーティーは非常にバランスの取れた構成となっております。初登場のローグもいますので活躍を期待しましょう。

    美味しい酒(エール)が一番重要!!パッチウォールの月第10日,591CY)
    「誇り高き町(Proudtown)」の酒場兼宿屋「戦士の指先(End of Champion's Finger)」亭でいつもどおり飲んだくれていたPCsに嫌な知らせが入った。(*1)

    ヴァサーゴ「エールが切れただと!!」
    宿の親父「えぇ、お客さんがたった今飲んだのが最後の一杯です。この宿のエールは売り切れです。」

    いつも飲みまくっていたエールが切れたのはおかしいということで事情を聞くPCs。聞くと5日前からドワーフのエール輸送が滞っているそうです。しかたがないのでその日はお開きとし、PCsはいつもより少々長い眠りについたのだった。
    しかし、次の日になってもドワーフのエール輸送部隊は現れませんでした。これはおかしいということでPCsは情報を集め、ついでに他にも目新しいことがないか、旅人やファーラングン(Fharlanghn,道祖神)の司祭などから情報を集めた結果、次のような情報(噂)が集まった。
    • ドワーフのエール輸送部隊は、2日おきに誇り高き町に来ていた。
    • ドワーフ領主の砦がホブゴブリンに占領された。
    • ドワーフ砦までは、約8マイルで4時間の距離。
    • ドワーフ砦には、ドワーフが老若男女あわせて60人ぐらいが住んでいた。
    • ドワーフ砦は、住居部分などはすべて地下にあるが、見張りやぐらは地上にある。
    • (以前PCsが退治した)オーク軍が元のオーク砦に再び陣取った。
    • 最近のオーク軍の活動はかなり活発。
    • 隣の大きな街「ヴェルボボンク」(Verbobonc)までは、25マイルで、1日半ぐらいの距離。
    • 大きな街では、様々なマジックアイテムが購入できる。
    などである。ファラミアは仲間の仇を討つべくオーク退治を主張したが、バーバリアンズは酒が重要と主張し少々もめたが、結局ドワーフ砦に向かうことになった。

    *1 やっとPCsいるワールドと村、宿の名前が決まりました。簡単に解説するとワールドは、グレイホーク(Greyhawk)というDnD3eのオフィシャルなワールドです。細かいところは追って説明します。

    ドワーフ砦
     PCsは荷物を整えドワーフ砦に向かった。(マスターの期待に反して)野外ではまったく遭遇はなく無事砦近くまで到着。遠くからドワーフ砦のあたりを見てみると、見張りやぐらのやぐら部分が無くなってます。目の良いキキョウが見たところ、どうやら上の方は壊されたようで残っている部分は焦げた痕が残っています。上方からの何者かの攻撃があったのでしょう。
    「これはやばい。」と、PCsはゆっくりと警戒態勢で砦の入口に近づきました。が、特に敵からの攻撃はありません。入口に見張りもいませんでした。
    「いよいよやばい。」と、毎度のことながら先を譲り合う展開に「ここは、ローグの出番だ。」、「いや、俺は暗いところで目が見えないから行けない。」などなど、結局、ぶちきれたバーバリアンズが威力偵察に出ました。
    モルゴフが入口から8フィート(2.4m)ほどの下り階段の奥を覗いてみると、どうやら明かりが点いており、何者かが小声で話しているようです。しかし、騒がしくしていたため、相手側は気づき、明かりを消し、扉の閉まる音から察するに、奥の部屋に逃げていってしまいました。
    明かりをつけていたのでどうやらホブゴブリンではなく、生き残りのドワーフではないかということになり最初の部屋に全員集合し、松明を準備します。
    武器を準備し覚悟を決めて、奥の部屋への扉を開くと、クロスボウを構えたひとりのドワーフが立っていました。

    ドワーフ「お前たちは俺たちを助けてゴブリンを退治に来たのか?」

    PCsがもちろんそうだとドワーフをなだめると、お互い武器を収めて仲良くやることに。そして、ドワーフたち(扉の影からもう一人でてきた。)から次のような情報を得ました。
    • 6日前突然見張りのやぐらに赤いドラゴンが襲ってきたので、入口の方へ戦士が集められたが、次の瞬間、奥のほうから挟撃を受けた。
    • ドラゴンはやぐらを破壊してすぐに逃げていったが、自分たちは警戒のためこちらに残り他の仲間は奥へ敵の撃退に向かった。その後奥から誰も戻ってこないが怖くて中に入れない。
    • 助けを呼びに行きたいが、ドラゴンが怖くて行けない。
    • ここ以外の入口を自分たちは知らないので、どこかに抜け道でもあったのだろう。
    • 何とか助けてくれ~
    勇敢なPCsは、報酬に関して何の約束もせずホブゴブリン退治を請け負ったのでした。しかし、いつもとは一味違い、この砦の部屋の大きさ、配置などを聞き出したのです。(おぉ~すばらしい!!)
    奥へと続く扉のバリケードをどけてPCsは奥へ進みます。

    探索そして一時撤退
     通路に出たPCsは、ローレンが松明を持ち念入りに進んでいきます。そして最初の扉です。チョバコナナやキキョウが聞き耳をしたところ、扉の中には話し声が複数聞こえました。ここで作戦を相談します。念入りにしかも騒がしく!!時間をかけやっと作戦が決まります。その作戦は、モルゴフが扉を開け、その直後にセイタカアワダリソウが中にSleepの呪文をぶち込み、その後バーバリアンズが殴り込みをかけるというものです。まっとうで文句のつけようがない良い作戦です。しかし、PCsの相談は通路の奥まで十分に聞こえるくらい響き渡っていたのです。

    「ばぁん!!」扉をあけ、セイタカアワダチソウが部屋の中にSleepの呪文をぶち込みました。中にいたのはゴブリンで5匹中2匹がSTに失敗し眠りました。残念ながらそんなことにへこたれないゴブリン。起きていたゴブリンのうち2匹は眠った仲間を即座に起し、残りの1匹は奥の部屋へ逃げていきました。どうやら伝令のようです。それを見たヴァサーゴは「やばい!!」と思ったのですが、後の祭りです。奥からホブゴブリンがやってきます。
     ちょうどそのころ(これを使うのは反則だという話もある。)、パトロール隊(ホブゴブリン1匹、ゴブリン4匹)が扉と反対側の通路からあらわれました。そう、前回に引き続きまたしても挟撃です。

    ここからが前回とは異なりPCsは冷静に対処しました。後方からの攻撃には、明かりのある範囲でファラミアやキキョウがふんばります。前方も冷静に対処しています。常に敵より味方が有利な状況で戦えるように移動し敵に隙を見せません。
    気がつくとPCsは、後方のパトロール隊をほぼ全滅させました。前方も敵は状況を不利と見たのか奥の部屋に退却していきます。この間にPCsは、モルゴフが一撃食らっただけです。
    このまま力押しでいくのかなとDMは思っていたのですが、その期待は裏切られ、チョバコナナが別の通路から敵がやってくるのを聞きつけると、虫の息のゴブリンを捕虜としてPCsはいったんドワーフのいる入口付近へ退却することにしました。(おぉ賢い!!)

    先ほどのバリケードを復活させ、捕虜としたゴブリンを尋問します。根性のないことにゴブリンはあっさりと聞かれもしないことまで白状します。
    • 魔法使いが飼っているドラゴンが陽動として見張りやぐら攻撃しその隙に裏の醸造桶の奥にある通路と空気穴から進入した。
    • この部隊のリーダーはエリスヌル(Erythnul,虐殺の神)を崇めるバグベアーで呪文も使える。
    • 部隊はホブゴブリンとゴブリンで構成されており約50匹だったが、ドワーフと戦ってかなりやられて今は30匹くらい。
    • 一番奥の部屋にドワーフが少しいるが時間の問題。
    状況を把握したPCsは、いったん町に帰ろうかと外を見たのですが、キキョウは嫌なものを見てしまいました。たまたまパトロールに来た小さな赤いドラゴンが空を飛んでいるのです。万が一にもドラゴンとやりあうことも嫌ですが、ドラゴンと戦っているときに後ろからつつかれたら最悪です。PCsは再び相談し、先ほどの部屋は避けて他の部屋を探検しつつ、(何の解決にもならないが)とりあえず奥のドワーフの救出に向かうことにします。

    ドワーフ領主との対面

     PCsは用心深く食堂・台所など4部屋ほどあさりましたが、ゴブリンどもとは会うことなく見たのは大ネズミだけでした。大ネズミはPCsを見るなり逃げ出したので戦闘にはならず、その奥の隠し扉で隠されていた井戸の部屋にPCsは集まります。「わざわざ毒の井戸を隠すまい。」ということで、最初にヴァサーゴが水を飲みましたが何も起こりません。他のメンバーも試しに飲んでみたのですが変わったことは起こらず、「飲料水として役に立つだろう。」ということで、キキョウが水筒に入れただけでした。

    次にPCsは南の端の部屋を探索することにしました。奥の出っ張った壁に扉がついているこの細長い部屋はドワーフの見張りとホブゴブリンが戦闘になったようで、床にはドワーフやホブゴブリンの死体が散乱していました。生き残りがいないか探しましたが見つからず、次の部屋に進もうと奥の扉を開けるといきなり壁があり行き止まりとなり先に進めません。PCsは必死になって隠し扉を探しましたが残念ながら見つかりませんでした。あきらめて別の道をとおり奥の部屋を目指しました。

    こうして、あれよあれよというまに、先ほどゴブリンが白状した生き残りのドワーフのいる部屋の辺りにやってきました。

    部屋の扉にチョバコナナが聞き耳をしたところドワーフではなさそうなダミ声が複数聞こえます。大きな声で奥のほうに怒鳴りつけているようです。これは間違いなく敵でしょう。今回は呪文を温存することにし、夜目の利くバーバリアンズが殴りこみます。後方はキキョウが警戒し、挟撃にも備えた万全の体勢です。

    中にはホブゴブリンが4匹いましたが、今まで何故これほど恐れていたのかが不思議なほどあっけなく、犬やバーバリアン兄弟がホブゴブリンを倒しました。

    奥の部屋への通路にはドワーフ戦士が仁王立ちしていました。が、PCsが助けであることを告げると奥へ案内してくれます。
    奥の部屋の簡素なベッドには、ドワーフの領主が寝ていました。その顔色は非常に悪いようです。ファラミアにはこの症状に見覚えがありました。この症状は「#1 ユニーコーンを救え!!」で、Alabern がやられた毒と似ているようです。まだ未熟なPCsには毒をどうすることもできません。ドワーフ領主の容態は、一刻を争うかもしれません。

    さてどうしようか?

     さて、このような状況でPCsはどのような判断をくだすでしょうか?(「俺たちはお宝をあさりに来ただけだから知らないぜ~」というのも、DMとしては今後の展開が楽なので可。もちろん、「全ドワーフの意地を見せてやる~」ですよ。)
    次回もお楽しみに。

    DM感想
     「これほど時間がかかるとは思っていなかった。」というのが正直なところです。
    前回のお灸が効きすぎたのかPCsが敵の戦術を恐れること恐れること。前回を反省してパワーバランスを少しはまともにしていたので、DMとしては歯がゆいばかりでした。今回のラストの戦闘でPCsも気づいたようなので、次回は積極的に行動してもらえることを期待しています。
    登場を予告していた「肩から2本の触手が生えた獣」も次回は登場するでしょう。
    どちらにせよ楽しみです。しかし一言、
    「まだまだ~、私の目の黒いうちは好きにはさせんよ。」by バグベアー